「困っているんだ、助けておくれよ」
世の中には、「他人の不幸は蜜の味」という言葉もあれば、「対岸の火」という言葉もある。他人のことなど、知ったことではないのだ。他人の不幸からは、「前輪の轍」として学ぶことはあっても、誰も助けてくれない。しかし、
「お前の悲しみは俺の悲しみだ」
関東大震災が起きた時、遠くアルゼンチンから援助物資が船に満載されて届いたことがあった。辛いときに、手を差し伸べてくれた人の恩は忘れがたい。日系人の努力の賜物である。
グローバル時代の今日、other people’s problemという言葉が、危険性をおびたように、反省を促すように、使われ始めている。どこかのlocal problemは、かならずglobal problemになる。対岸の火ではないのだ。Care of othersが少なくなった社会において、care for each otherの価値は大きい。